パニック障害
パニック障害では、特にきっかけなく、突然予期しない発作(パニック発作)が起こり、その発作が1か月の間に、何度も繰り返しみられます。多くの方が身体の病気を疑い、内科などにかかられますが、身体の異常は見つからないのが特徴です。
発作が起きると、強い身体的・精神的苦痛を伴うため、このまま死んでしまうのではないかと大きな恐怖を感じます。そのため、また発作が起きるのではと常に不安を感じるようになり(予期不安)、外に出られなくなるなど、日常生活に支障をきたします。
発作の時にみられる症状としては、次のようなものが多く認められます。
- 動悸、息切れ
- 息苦しさ、喉が詰まったような感覚
- 吐き気、腹痛
- めまい、ふらつき、気を失うような感覚
- 全身または体の一部のしびれや感覚麻痺
- ほてり、寒気や発汗
など
治療
パニック障害は、単なる心配性、神経質とは違い、脳内で通常とは異なる動きが発生していると考えられています。そのため、治療では、パニック発作を抑え、不安を軽減させることを目的とした薬物療法が行われます。主に使用されているのが、抗うつ薬と抗不安薬です。
長期的にみて、発作の再発を抑えるには抗うつ薬が適していますが、効果がでるまでに少なくとも2週間ほどかかってしまうため、患者さんが一番つらいと感じる不安感を早く抑えるために、即効性の期待できる抗不安薬を併用します。
但し、抗不安薬は依存性や耐性が生じやすいため、医師としっかりと相談した上で、服用を始めるようにしてください。
また、心理療法が有効な場合もあります。パニック発作を引き起こすきっかけになっている状況を敢えて体験したり、想像したりすることで、段階的に自信をつけていくといった『暴露療法』、不安や恐怖が実は根拠のないものであるなど、認識を変える練習をしていく『認知行動療法』があります。
医師や心理士と相談しながら、ご自身に合った治療を見つけてもらえれば、症状の改善、再発の予防につながると思います。