思春期・青年期精神障害
青年期とは、およそ12、13歳~20歳まで、人が子どもから大人になるまでの時期のことです。思春期は、特に身体の成長が著しい青年期前半にあたります。
この時期には、身体とこころのバランスを保つことが難しく、また、自分や他人のことを意識するようになります。親から自立したい気持ちと、自立していくことへの不安な気持ちが並存するため、親に反抗的になったり、集団の中で安心感を得ようとする時期でもあります。思春期以降になると、集団の中での自分(自我)と他人を区別し、心身共に自立した大人に近づいていきます。
こういった過程で、なんらかの壁にぶつかり、一時的に精神症状がみられたり、症状が続いてしまったりすることがあります。
医療機関へ相談に来られる場合、次のようなケースが多くみられます。
(1)不登校、引きこもり
背景には、様々な精神障害や発達障害の存在が考えられます。
要因に合わせた対処法を考え、家庭や学校との連携が必要です。
特に初期段階では、周囲の大人たちは焦らずに見守ってあげることが大切です。
(2)統合失調症、気分障害(うつ病、躁うつ病)
思春期・青年期は統合失調症の発症が多い年代のひとつでもあります。
統合失調症やうつ病の場合、大人と違う点は、自ら症状について話すことが少ないことです。口数が少なくなった、ぼんやりしていることが多い、成績がさがった、友人と遊ぶことが少なくなった、イライラしているなど周囲がその変化に気づくことが多いようです。
(3)神経症性障害
全般性不安障害、社会不安障害、身体表現性障害、解離性障害など、種々の神経症症状がみられます。
(4)摂食障害
身体の急激な変化にこころがついていけず、異常なまでに体重を気にするようになります。体型に対する認知の歪みが生じ、拒食や過食・嘔吐を繰り返すことで安心を得ようとする傾向がみられます。
(5)自閉症スペクトラム障害、アスペルガー障害
(6)注意欠陥多動障害、チック症、抜毛症などの行動障害
(7)家庭内での問題
虐待、家庭内暴力、養育者の精神疾患など
当院では、中学生以上の方の診療を行なっております。
各種心理検査やカウンセリングを行い、健全な発達を促すためのサポートが出来ればと思いますので、上記のような問題でお悩みの方は一度ご相談ください。
最後に
ここで解説する病気の症状は典型的なものを紹介したもので、記載された症状がその病気をもつすべての方に当てはまるわけではなく、また症状のどれかに当てはまるからといってその病気であることを示すものではありません。
病気の診断および治療に関しては、必ず医師による説明を受けるようにしてください。